日記
MIX9日目→サイドチェーン処理とは
サイドチェーン処理とは、ある音(キックドラムなど)が鳴ったときに他の音(ベースラインなど)の音量を自動的に下げるというテクニックです。
特にダンスミュージックでは、キックとベースが同時に鳴ると低音がぼやけてしまうことから、キックが鳴るタイミングでベースの音量を下げることでクリアなミックスを実現します。
以下、Ableton Liveを用いたサイドチェーン処理の基本的な手順を説明します。
1. まず、キックとベースの2つのトラックがあるとします。キックが鳴るとベースの音量が下がるようにしたいので、ベースのトラックにコンプレッサーをインサートします。
2. Ableton Liveのコンプレッサーには「Sidechain」セクションがありますので、ここを開き、「Audio From」にキックのトラックを選択します。
3. コンプレッサーの設定を調整します。「Threshold」を下げると、キックの音が鳴ったときにベースの音量がどれくらい下がるかが調整できます。「Ratio」を上げると、音量の下がり方が強くなります。「Attack」は音量が下がる速度、「Release」は元の音量に戻る速度を調整します。
サイドチェーン処理を活用した楽曲としては、ダフトパンクの「One More Time」が有名です。
キックの音が鳴るたびに他の全ての音が下がることで、リズムが際立っています。
このような手法は、クリエイティブな表現としても使えます。音楽の幅を広げる有用なテクニックの一つです。
サイドチェーン処理は特にエレクトロニック・ダンス・ミュージック(EDM)でよく使われます。
以下、その手法が顕著に使用されている有名な曲をいくつか挙げてみますね!
YouTubeなどで検索して聴いてみてください!カッコいいですよ!
2. Skrillex - "Bangarang"
3. Calvin Harris - "Summer"
5. Swedish House Mafia - "Don't You Worry Child"
6. Deadmau5 - "Ghosts 'n' Stuff"
7. David Guetta - "Titanium"
8. Tiësto - "Red Lights"
9. The Chainsmokers - "Closer"
これらの曲はキックドラムとシンセやボーカルトラックの間で明瞭なサイドチェーン処理が行われています。
特にEDMでは、サイドチェーン処理はキックドラムを前面に出し、その他の要素(シンセ、ボーカルなど)を一時的に引っ込めるために頻繁に使用されます。この手法はリスナーにダンスフロアでのパルス感を提供し、よりダンサブルなトラックを作るのに貢献します。
MIX8日目→バス処理と使い方
バス処理とは、オーディオ信号を一つの経路にルーティングして処理する手法のことを指します。
このバスには、個々のオーディオトラックからの音が集まり、それぞれの信号を一つにまとめる役割があります。
この結果生じる一つの音声信号を、エンジニアはさまざまなエフェクトやプロセス(リバーブ、コンプレッション、イコライジングなど)を通じて調整します。
例えば、Logic Pro Xを使ってバス処理を行うステップを考えてみましょう
1. まず、バス処理を適用したいトラックを選択します。例えば、ドラムのトラック群(キック、スネア、ハイハットなど)がこれに当たります。
2. 選択した各トラックの出力設定を新しいバス(例:バス1)にルーティングします。これにより、これらのトラックからの音声信号は全てバス1に集約されます。
3. バス1のトラックにエフェクトを追加します。例えば、全体的なドラムサウンドにコンプレッションをかけたい場合、このバス1にコンプレッサープラグインを追加します。
4. 最後に、バス1のトラックのエフェクトを調整して、ドラムのサウンドが全体として統一感を持つようにします。
このように、バス処理は複数のトラックをまとめて同じエフェクトや処理を適用したいとき、または特定のトラック群(例:ドラムやバックボーカル)を全体として調整したいときに非常に役立つ手法です。
これにより、個々のトラックを個別に調整するよりも効率的にミックスの調整が可能になります。
かっこいいミックスには絶対必要なテクニックとなりますので、ぜひともがんばって習得して下さいね!
MIX7日目→リバーブとディレイについて
リバーブとディレイは、ミックスに深みと広がりを加えるための主要なツールです。
適切に使えば、楽曲が実際の空間や場所で再生されているような感覚をリスナーに与えることができます。
1. リバーブ
リバーブは音が部屋の中で反響する効果をシミュレートします。リバーブは音に深みを与え、ミックスにスペースと場所の感覚を与えます。
プラグインの選択は個々の音楽やスタイルによりますが、ValhallaDSPの「Valhalla Room」やFabFilterの「Pro-R」、Wavesの「Rverb」などは一般的な選択肢です。
リバーブの使い方は楽曲や目的によりますが、一般的にはバックグラウンドのエレメンツに多めに、主要なエレメンツには少なめに適用します。
2. ディレイ
ディレイは音が反響することで生成されるエコー効果を作り出します。
ディレイは、楽曲にリズムと深みを追加し、特定のパートに更なる関心を引きつけることができます。
よく使われるディレイプラグインにはSoundtoysの「EchoBoy」やWavesの「H-Delay」などがあります。
ディレイはリードボーカルやギターソロなど、特定のパートに関心を引きつけるために使うことが多いですね。
そしてリバーブとディレイは一緒に使うことが多いです。
例えば、リバーブを使用して音源に空間感を与え、その後ディレイを使用して特定のパートにエコー効果を加えることがあります。
また、それぞれを個々のトラックに適用するだけでなく、バスにリバーブやディレイを設定し、複数のトラックに一度に適用することもあります。
これらのエフェクトは強力ですが、過度な使用はミックスを混乱させる可能性があるため、適度に使用することが重要です。
また、これらのエフェクトは音源をバックグラウンドに押しやる傾向があるため、前面に出すべき音源には控えめに使用することをお勧めします。
この記事を参考に色々試してくださいね!
MIX6日目→パンニングについて
パンニングは、ステレオフィールドの左右に音源を配置する技法です。
パンニングは、ミックス内の各楽器や音源がどの位置で聞こえるかを決定します。
適切なパンニングにより、あなたのミックスは広がりを持ち、各楽器が明瞭に聞こえるようになります。
1. ハードパン:
ドラムのシンバルやトム、バッキングボーカルなどのエレメンツを、全く左または全く右(すなわち100%左または100%右)に配置します。
2. LCRパンニング:
このテクニックは左、中央、右のいずれかにパンニングするというものです。
つまり、ミックスのエレメンツは中心にあるか、または完全に左右の端にあるかのいずれかです。
3. パーセンテージパンニング:
パーセンテージパンニングはより微妙な調整が可能で、音源を完全に左右に配置するのではなく、例えば左の30%や右の70%の位置に配置します。
ステレオイメージについては、立体感や広がりを出すために重要な要素です。
ステレオイメージを調整するためのプラグインは数多く存在します。
例えば、iZotopeのOzone ImagerやWavesのS1 Stereo Imagerなどがよく使われます。
これらのプラグインは音源のステレオイメージを広げるだけでなく、モノラルとステレオのバランスを調整するのにも役立ちます。
パンニングやステレオイメージは、より広いスペースに音を分散させ、各音源がはっきりと聞こえるようにするために非常に重要です。
しかし、これらのテクニックはあくまでツールであり、最終的な音像はあなたの創造力と音楽的な判断によるものです。
パンニングやステレオイメージのテクニックを試しながら、最も効果的なバランスと音像を探してみてくださいね!
MIX5日目→超重要!コンプレッサーの種類!
コンプレッサーは大まかに以下の4つのカテゴリに分けることができます:VCA、FET、Optical、そしてTube/Valveです。
1. VCA(Voltage Controlled Amplifier)コンプレッサー
最も汎用性が高く、応答性に優れています。これらはしっかりとしたコントロールが可能で、多くの異なる音源に対して使うことができます。
例えば、SSL G-Master Buss Compressor や dbx 160 などがこのタイプです。
2. FET(Field Effect Transistor)コンプレッサー
一般的に高速なアタックタイムと音色の豊かさで知られています。これらはドラムやボーカル、そして楽器のバスに特に適しています。
代表的なFETコンプレッサーには、Urei/Universal Audio 1176LN があります。
3. Opticalコンプレッサー
光抵抗素子を使用してゲインを制御します。これらのコンプレッサーは通常、滑らかで音楽的な特性を持っており、ボーカルやバスの処理によく使われます。
Teletronix LA-2A は、典型的なOpticalコンプレッサーの一つです。
4. Tube/Valveコンプレッサー
真空管を使用しており、温かく豊かな音色を提供します。これらはしばしばマスターバスや個々の楽器トラックに用いられます。
Fairchild 670 は、このカテゴリのもっとも有名な例の一つです。
プラグインに関しては、これらのクラシックなコンプレッサーのエミュレーションが多くあります。
Universal Audio、Waves、FabFilter、TDRなどが高品質なコンプレッサープラグインを提供しています。
例えば、FabFilter's Pro-C 2は非常に多機能で使いやすく、各種のコンプレッサーのタイプをエミュレートしています。
しかし、どのコンプレッサーを選ぶべきかは、あなたが何を達成したいか、またはどのような音を追求しているかによります。
それぞれのコンプレッサーはそれぞれ異なる特性と音色を持っているため、試しに使ってみて自分のニーズに最も適したものを見つけることをお勧めします。